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厚生労働省「登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会」の第3回会合が26日に開かれた。試験実施方法や受験資格などが議論され、従来通り関係する6団体からのヒアリングも実施された。ヒアリングでは多くの団体が、試験の定期的な実施と、都道府県間で格差が生じないような仕組みを求めた。受験資格に関しては、全日本薬種商協会がこれまでの薬種商試験をほぼ踏襲し、受験資格に店頭での実務経験を付与するよう求めた。また厚労省は、試験出題数を60問(試験時間180分)とするたたき台を示したが、多くの団体からは試験数が少なく過ぎるとの指摘がなされた。
関係団体はヒアリングで、試験実施の基本的な考え方として、「全国的な水準を設けてほしい」「バラつきをなくしてほしい」などと求めると共に、定期的に実施することを求める意見が相次いだ。
特に新制度を円滑に立ち上げるため、▽日本大衆薬工業協会は初年度に限り年2回▽日本チェーンドラッグストア協会は2009年度までは年304回、その後は少なくとも年1回――の試験実施を提案。全国配置家庭薬協会は、配置薬業者の多い地域や大都市圏での受験者が多いと想定されるため、複数回の実施を求めた。
受験資格に関しては、▽高校卒業18歳以上▽20歳以上――とする意見が出され、実務経験の取り扱いでも意見が割れた。大衆薬協などは合格後も研修が必要との考えを示した。また、全薬協は現在の薬種商試験を踏まえ、実務経験も受験資格に含めるよう提案した。
試験免除対象者に関しては、大衆薬協、日本薬剤師会、全薬協などは、6年制薬学部卒業生は学部教育を通じて知識を身につけていると判断されるため、免除してもいいと提案。全配協は、業界で10年以上業務に従事した経験者については免除してほしいと要望した。
ヒアリング後の意見交換では、実務経験の取り扱いについて意見が集中したが、ヒアリングの中でも店舗管理者に求められることと、登録販売者の資質に関する意見が混同している部分があるとの指摘もなされた。
ただ、実務経験の重要性を指摘する声は大きく、望月眞弓委員(北里大薬学部教授)は「合格後に実務経験を課せばいいのではないか」としたほか、松本恒雄委員(一橋大大学院法学研究科教授)も「合格後に実務経験を積んだ者を、登録販売者として登録すればいいのではないか」と述べた。松本委員の意見に対し厚労省は、改正薬事法にそうしたが記述がないことから、「難しいと思うが検討はしてみたい」と答えるにとどめた。
■厚労省、出題数で叩き台
一方、厚労省は前回会合で示した試験問題作成の手引きを参考に、試験出題数のたたき台を示した。内容は、▽医薬品に共通する特性と基本的な知識:出題割合10問、時間30分▽人体の働きと医薬品:10問、30分▽主な医薬品とその作用:20問、60分▽薬事関係法規・制度:10問、30分▽医薬品の適正使用、安全対策:10問、30分――というもの。
これに対し大衆薬協やチェーンドラッグストア協会は、60問では少なすぎるとの見方を示した。日薬は今回示された五つの領域に関し、偏りなく出題することを求めた。
この日の会合で、論点に関する議論がほぼ一巡したことから、次回はこれまでの議論を整理した上で、さらに検討を深めていく。