2009年6月の改正薬事法施行に伴い、第1類、第2類薬のインターネット販売を原則禁じた厚生労働省令は違法だとして、ケンコーコムとウエルネットが販売権の確認を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は4月26日、販売権を認める判決を言い渡した。
裁判で争点となったのは、改正薬事法施行規則に定められている第1類・第2類について、専門家による対面での情報提供と販売義務が改正薬事法の委任の範囲内かどうか。
判決文では、改正薬事法に医薬品のネット販売を直接禁止・制限する規定はなく、「薬事法が店舗販売業者が行う第1類、第2類の医薬品の郵便等販売を一律に禁止するという点までを厚労省の省令に委任しているものとは認められない」とした上で、ネット販売を原則禁止する省令の規定は「新薬事法の委任の趣旨の範囲を逸脱した違法な規定であり、無効」とした。
判決を受けて、厚労省医薬食品局総務課は、「国の主張が一部認められず、厳しい判決」とのコメントを発表。今後の対応については、「判決内容を十分検討すると共に、関係省庁と協議した上で決定したい」としている。
小宮山厚労相は4月27日、閣議後の会見で「便利にインターネットを利用したいという方がある一方で、薬害に遭われた皆さんからは慎重な対応を求める声があり、しっかりと慎重に対応すべきことと考える」と述べている。
控訴期間は14日間。厚労省は、それまでに上告するかどうかの大きな決断を迫られることになる。