新経営陣発表
オリンパスは2月27日、高山修一社長ら現経営陣が退陣し、新社長に笹宏行執行役員が昇格する人事を発表した。会長には、元三井住友銀行専務の木本泰行氏が就く。新経営陣は、取締役11人のうち社外取締役が6人と過半数を占める。4月20日に開かれる臨時株主総会後の取締役会で正式に決定する。
損失隠しの不祥事に揺れたオリンパスは、内視鏡畑が長い生え抜きの笹氏を新トップに据える一方、会長に三井住友銀行出身の木本氏、取締役に三菱東京UFJ銀行出身の藤塚英明氏を選出する。
さらに、社外取締役6人とガバナンス最重視の布陣で再出発を目指すことになった。
都内で記者会見した笹氏は、「一刻も早く、毀損したブランドと信頼を取り戻すことが課せられた使命」と述べ、信頼回復に努める姿勢を強調。その上で、「オリンパスの再生のためには、長期的なビジョンとして医療事業を中心とした利益ある成長が不可欠」との考えを示し、▽事業ポートフォリオの再構築▽事業構造・収益構造の見直し▽安定した財務体質の早期回復――を事業上の経営課題に挙げた。
笹氏は、事業ポートフォリオの再構築に向け、社内にプロジェクトチームを立ち上げ、事業再生プランを策定中であることを明らかにした。ただ、資本提携の可能性については、「まず事業戦略があるべき。それをしっかり固めた上で、必要であれば考える」との方針を述べた。
新社長に就任予定の笹氏は、1955年生まれの56歳。82年3月に早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修士課程修了後、オリンパスに入社。内視鏡事業企画部長、オリンパスメディカルシステムズ第1開発本部長、同マーケティング本部長を歴任するなど、一貫して内視鏡畑を歩んできた。