厚生労働省は17日、ヤンセンファーマのベルケイド注射用とドキシル注の無菌充填工程を受託している米製造会社「ベン・ベニュー・ラボラトリーズ」(BVL社)の製造管理がGMP不適合だとして、同社に改善命令を出した。
BVL社をめぐっては、両製剤のほかビダーザ注射用(国内製造販売元:日本新薬)とブスルフェクス点滴静注用(協和発酵キリン)の計4製剤について、昨年11月に欧州医薬品庁が無菌性が保証できない可能性があることを理由に、暫定的な自主回収などを勧告した。国内でも、欧米で供給されていないマイロターグ注射用(ファイザー)を加えた5製剤の回収や使用者への情報提供が行われている。
今回は、このうちヤンセンファーマが製造販売するベルケイドとドキシルに関する医薬品医療機器総合機構のGMP調査で不適合の判定が確定したことを受け、厚労省が薬事法第72条第2項に基づく措置を実施した。
調査では、BVL社が微生物による汚染を防止するための必要な措置を講じられていないことなどが判明した。
ドキシルは別の工場に製造委託して製品を供給している。他に委託先のないドキシルは国内で品質検査を行った上で供給を続けているが、ヤンセンファーマは、「代替工場での製造などを含む様々な選択肢を現在検討しており、状況の改善に向けて鋭意努力している」としている。