中央社会保険医療協議会は10日、保険調剤の一部負担金にポイントを付与するサービスを原則禁止する「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」等の改正案を小宮山厚労相に答申した。
昨年11月に4月1日施行で合意していたが、調剤ポイントを付与している薬局が多く、周知や準備の期間を十分に設けるため、半年間延期して10月1日からの施行とする。
中医協の11月合意を受けて、厚生労働省が先月31日までパブリックコメントを募集したところ、1万3863件の意見が寄せられた。このうち、1万3008件がポイント禁止に反対で、賛成は855件にとどまった。
賛成派からは、「保険薬局の選択は、調剤や服薬指導の質で決められるべき」「ポイント付与は実質的に一部負担金の減免にあたる」などの意見が寄せられた。
一方、反対派からは「クレジットカード・電子マネーは禁止しないというのは、整合性がない」「ポイント付与をしているのは自
己負担分なので、医療保険制度上、問題はない」などの意見が出ていた。
しかし、10日の中医協で厚労省の吉田薬剤管理官は、「ポイント制を禁止する基本原則を変えるものではない」と、ポイントサービスを認めない姿勢を改めて示した。ただ、パブコメの結果、一定の浸透が見られるまでの間、施行時期を遅らせる。
吉田氏は、「3月早々にも改正薬担等を公布して、広く知らしめる。必要であれば、機会をみて趣旨・内容について関係者に周知徹底したい」と述べた。
改正案は、経済上の利益の提供による誘引を禁止するもので、「保険薬局は、患者に対して、第4条の規定により受領する費用の額に応じて、当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない」としている。