薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は1日、協和発酵キリンが開発した、再発・難治性の成人T細胞白血病(ATL)治療薬「ポテリジオ」、ノバルティスファーマの慢性骨髄性白血病治療薬「グリベック」の効能追加を審議し、承認を了承した。現在、有効な治療法がないATLに対する治療薬の承認は初となる。
「ポテリジオ点滴静注20mg」の有効成分はモガムリズマブ(遺伝子組み換え)。再発または難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。国内の推定患者数は2000人程度で、オーファンに指定されている。
同剤は、ヒトモノクローナル抗体で、ATL患者の約9割に高い発現が認められるCCR4に結合することにより、ATLを引き起こす細胞を傷害する新規の作用機序を持つ。1週間間隔で計8回投与する。再審査期間は10年。承認条件として前例調査が付された。海外での承認はない。
一方、「グリベック錠100mg」有効成分はイマチニブメシル酸塩。FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群または慢性好酸球性白血病の効能・効果を追加する。
同疾患は、好酸球が過剰に増殖することによって正常な造血が阻害されたり、心臓、肺、脾臓などに臓器障害を引き起こす。同剤は、疾患発症の原因となる腫瘍蛋白FIP1L1-PDGFRαの活性を阻害することで効果を示すとされている。国内の推定患者数は、100人程度で、オーファン指定されている。再審査期間は10年。