厚生労働省の「血漿分画製剤のあり方に関する検討会」が、3月の薬事・食品衛生審議会血液事業部会への最終報告に向け、意見集約に入った。輸血用を含む血液製剤の価格を適正化するために、日本赤十字社に対してより一層のコスト削減努力を求める方向だ。
血液製剤の価格をめぐっては、海外や原料血漿との価格差が大きい新鮮凍結血漿に関する認識が、検討会では強い。また、アルブミン製剤の自給率が、DPC制度の導入以降に安価な輸入製剤に押されて低下していることから、原料血漿価格を引き下げる観点からも、国や日本赤十字社が効率よく採血する方法を考える必要性を指摘する。
また、ワクチン接種との関係で通常献血だと高力価血漿が確保できず、特殊免疫グロブリン製剤の自給率が極めて低いことも課題になっている。そこで、針刺し事故による感染防止のためにB型肝炎ワクチンを接種する医療従事者を対象に、B型肝炎の免疫を持つ血液から抗体を抽出して製造する「抗HBs人免疫グロブリン製剤」の自給率向上策を探っていく。