薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は27日、日本イーライリリーの抗精神病薬「ジプレキサ」、塩野義製薬の抗うつ薬「サインバルタカプセル」の効能追加、アクテリオンファーマシューティカルズジャパンの「ブレーザベスカプセル」など3品目を審議し、承認を了承した。
▽ジプレキサ錠2・5mg、同錠5mg、同錠10mg、同細粒1%、同ザイディス錠5mg、同10mg(日本イーライリリー):有効成分はオランザピン。双極性障害におけるうつ症状の改善の効能・効果を追加する。うつ症状の改善での適応は世界初となる。
同剤は、2000年に統合失調症、10年に双極性障害における躁症状の改善の適応を取得している。再審査期間は4年。
▽ブレーザベスカプセル100mg(アクテリオンファーマシューティカルズジャパン):有効成分はミグルスタット。遺伝子変異などによって糖脂質が神経細胞内に貯まり、嚥下障害などを引き起こす「ニーマン・ピック病C型」を効能・効果とする。
同剤は、グルコシルセラミド合成酵素を阻害することで、スフィンゴ糖脂質の神経細胞内への蓄積を減少させ、神経症状の進行を遅らせる。
国内の推定患者数は16人と少なく、オーファン指定されている。承認条件として、全例調査が付された。再審査期間は10年。欧州などで承認されている。
▽サインバルタカプセル20mg、同30mg(塩野義製薬):有効成分はデュロキセチン塩酸塩。糖尿病性神経障害に伴う疼痛の効能・効果を追加する。
国内には、同疾患に対する治療薬はなく、糖尿病性神経障害治療薬の「エパルレスタット」、抗不整脈薬の「メキシレチン」などが、対症療法として用いられてきた。厚生労働省によると、同剤は、「もう少し根本的な治療につながる」という。
再審査期間は残余の2018年1月19日まで。海外98カ国で承認されている。