厚生労働省は、日本発の革新的医薬品・医療機器の創出に向けて2012年度に選定する「臨床研究中核病院」の条件として、ICH‐GCPに準拠した国際水準の臨床研究体制のほか、データの信頼性保証、知的財産の管理や技術移転、質の高い多施設共同研究の企画・立案などを検討している。3月上旬にも対象機関を公募する見通し。
政府は医療イノベーション推進策の一環として、臨床研究中核病院等を13年度までに15カ所程度整備する方針。厚労省は11年度、5カ所を採択し、世界で初めてヒトに新規薬物や機器を使用する「早期・探索的臨床試験拠点」の整備に着手した。
12年度は、薬事承認データに使える質の高い臨床研究を実施できる体制を備え、小児疾患や難病など患者数が少なく企業治験が難しい領域の医師主導治験や、既存薬を組み合わせ、最適な治療法を見出す市販後臨床研究で中心的役割を担う拠点づくりに取り組む。これにより、臨床研究で有望な成果が出た場合に企業治験へスムーズに移行する流れも整える。対象は5カ所で、うち1カ所は東日本大震災の被災地から選ぶ。