医薬品医療機器総合機構の調査結果報告書で、この3年間に国内で定型抗精神病薬「ハロペリドール」の投与後に心停止が3例、突然死が4例起きていたと分かった。
いずれも同剤との因果関係が明確でないため、使用上の注意の「重大な副作用」には位置付けないが、心停止については、複数例が発生している注射剤に限って、事例が報告されていることを添付文書に追加するよう厚生労働省が10日付でメーカーに指示した。突然死は従来から「その他の注意」で一定の注意喚起を行っているため、新たな対応はとらない。
ハロペリドールは統合失調症や躁病の適応を持つドーパミンD2受容体遮断薬で後発品も多く出ている。
報告書によると、心室細動・心室頻脈も3例発生していた。厚労省は欧米の添付文書や国内外のガイドラインを踏まえ、注射剤の重要な基本的注意の項目に、心室細動、心室頻脈、静脈内注射時の心電図監視などを追記することもメーカーに求めた。
このほか厚労省は、同日の添付文書改訂に関する通知で、多発性骨髄腫治療薬の「レナリドミド水和物」について、海外の臨床試験で2次発癌の割合が高かったことを「その他の注意」に追記することとした。