家庭用品による健康被害が2010年度に1480件発生していたことが、厚生労働省の集計で分かった。殺虫剤や洗剤などの吸入事故が970件と多く、タバコ、医薬品・医薬部外品、玩具などを小児が誤飲した事故は377件、装飾品、洗剤、時計、履き物等による皮膚障害は133件だった。
厚労省は、皮膚科、小児科の医師や日本中毒情報センターの協力で、家庭用品による健康被害病院モニター報告制度を実施している。
10年度報告では、吸入事故の最多が殺虫剤の252件で、製品形態としてはスプレー式が多かった。使用方法や製品の特性を正確に知っていれば防げた事例も多数あったとう。
また、小児の誤飲はタバコの130件が最も多く、次に医薬品・医薬部外品の64件が続いた。医薬品では、容器のフタを開けたまま消毒していたとこと、1歳5カ月の男児が消毒剤を飲んだ事例がみられた。
皮膚障害の原因は装飾品が38件、洗剤が13件、時計とビューラーが各7件など。障害の種類はアレルギー性接触皮膚炎と刺激性接触皮膚炎がそれぞれ全体の半数を占めた。