厚生労働省の検討会が27日、抗癌剤による健康被害の救済を一般の医薬品を対象とする現行制度と同じ仕組みで直ちに実施することは難しいとする中間報告を取りまとめた。
重篤な副作用の可能性を患者が受け入れた上で、多剤を併用しながら試行錯誤で進められることが多い抗癌剤治療では薬剤と健康被害の因果関係や適正使用の判断が難しいことなどが理由。今後、抗癌剤使用者数や副作用頻度などの基礎データを収集し、諸外国の対応実態なども踏まえながら、引き続き救済の可能性を議論していく。
座長の森嶌昭夫名古屋大学名誉教授は、夏頃の最終結論を目指したい考えで、「法整備や運用を考えると、全く新しい制度を作るよりは、今の制度に他の薬とは別の枠組みを設けた方が実現しやすい」と話す。