寒天の健康効果がマスコミで多く取り上げられたことにより、食品としての寒天の需要が高まっている。健康食品開発・販売の協和(東京都練馬区豊玉北)は、日本薬局方収載の寒天(カンテン末)を用いた便秘薬「日本薬局方カンテン末」を開発、今月中旬から薬局・薬店を通じて新発売する。寒天は食品以外にも医薬用・工業用・培地用など様々な用途を持っているが、寒天粉末の一般用医薬品は今回が初めて。製造販売元は寒天製品の国内シェアトップの伊那食品工業(長野県伊那市)で、協和が発売元となる。
「日本薬局方カンテン末」は、テングサ、その他の同属植物、または諸種紅藻類(オゴノリ)などから得た粘液を脱水乾燥粉末にしたもので、熱湯に溶解して冷却することによりゲル化する多糖類で、その約80%が食物繊維。ゲル化した寒天は腸内で食物と混ざり合い、保水したまま便を増やして腸のぜん動運動を促す。腸内細菌や腸内毒素を吸収して、硬くなった便を包み、柔らかさを与えて自然に近いお通じを促す。
1包中に日本薬局方カンテン末2000mgを配合。通常空腹時(食前または食間)に1包2g02包4gを85度以上の湯3000600mLによくかき混ぜながら加えて溶かし、冷やしてゼリー状として服用する。この際に服用しやすくするため甘味料(砂糖、ハチミツ、黒糖、オリゴ糖など)、牛乳、果汁等を加えてゼリー状にしたり、寒天だけでゼリー状にしたものに甘味料などで味をつけてもいい。効能・効果は便秘、便秘に伴う頭痛、のぼせ、肌あれ、吹き出物、食欲不振、痔といった症状の緩和。税別希望小売価格は2g×20包入り1200円。
協和の堀内功会長は「天然の成分だけで保存料などの添加物は一切含まれていない。局方医薬品ということで(普通の食品と)純度が全く違う。安全性が高く、作用が穏やかなのが特徴で、女性の方、特に下剤を使いづらい妊産婦、また透析を受けられている方などの便秘に最適と思う」とし、薬系での拡販に力を入れていく考えだ。