厚生労働省は28日、後発品521品目を薬価基準に収載する。今回の収載品目数は、前回の6月と比較すると、およそ200品目増えた。初の後発品収載となったアルツハイマー型認知症治療薬「塩酸ドネペジル」(先発品:アリセプト=エーザイ)には、30社101品目が参入したほか、規格揃えに対応する企業が増え、医療安全等の観点から名称変更した代替新規の品目数も増えたため、「1998年以降、最も多い収載品目」(医政局経済課)となった。
収載の対象となったのは、8月5日までに薬事承認された医薬品。収載希望は563品目だったが、販売体制の整備や安定供給に不安があったことなどを理由に、32品目が希望を取り下げた。また、局方名収載等により10品目が告示不要となり、72社の135成分239規格521品目が収載された。
内訳は、内用薬が84成分139規格369品目、注射薬が44成分87規格115品目、外用薬が11成分13規格37品目。
このうち初めて収載された新規後発品は、9成分22規格186品目だった。内訳は、内用薬が6成分16規格156品目、注射薬が2成分5規格10品目、外用薬が1成分1規格20品目。
医療安全等の観点から名称変更した代替新規も69品目となり、東日本大震災への対応を優先し、告示時期を通常より1カ月遅らせた6月収載の34品目に比べて倍以上増えた。
代替新規を含め、品目数が最も多かった企業は50品目の沢井製薬。以下、大洋薬品工業(49品目)、東和薬品(27品目)、ファイザー(23品目)、日医工(8品目)と続いた。
後発品の収載数が最も多かったのは、新規後発品の塩酸ドネペジルで、次いで抗アレルギー薬「ロラタジン」(クラリチン=MSD)の22社38品目、抗菌薬「レボフロキサシン水和物」(クラビット点眼液=参天製薬)の20社20品目となっている。
塩酸ドネペジルは、先発品で高度のアルツハイマー型認知症の適応について特許延長が認められており、軽度から高度まで使用できるが、後発品は軽度、中等度に使用が限られる。
また、同一規格で20品目を超えたため、既収載品の最低価格に0・9を乗じて算定する対象になったのは、糖尿病治療薬の「ボグリボース」、前立腺癌治療薬「ビカルタミド」、抗アレルギー薬「エバスチン」の3成分だった。