薬事・食品衛生審議会の医療機器・体外診断薬部会は8日、国内初となるカプセル型電子内視鏡システム「ギブン画像診断システム」(申請者:ギブン・イメージング)と、冠動脈ステント「TAXUSエクスプレス2ステント」(ボストン・サイエンティフィック・ジャパン)の2品目を審議し、いずれも承認して差し支えないとの結論に達した。23日開催予定の薬事分科会に報告される。
ギブン画像診断システムは、小腸疾患の診断を行うために、小腸粘膜の撮像を行い、画像を提供するもので、▽飲み込むことができる単回使用のM2Aカプセル(白色LED、電池、送信器、画像データを送信するアンテナ、小型イメージセンサを内蔵)▽腰に装着した受信器(センサアレイ)と記録装置で構成されるデータレコーダーセット▽記録をダウンロードし解析のためのデータを提供するワークステーション””の3種で構成されるシステム。
飲み込まれたカプセルは消化管の蠕動運動で移動し、腸内の画像を収集する。撮影した画像はカプセル内のアンテナから送信され、身体に装着されたセンサアレイによって受信し、そのデータは接続されたデータレコーダー内のハードディスクにより記録される。データレコーダの画像データは、ワークステーションにダウンロードし、医師等が小腸内の直接画像診断を行う。
患者はカプセルが体内移動している間も、通常の日常活動ができるので、従来の内視鏡検査に比べ、患者負担が軽減されるメリットがある。カプセルは約8時間後、自然に排出される。こうしたシステムが国内で認可されるのは今回が初めて。再審査期間は8年。クラス分類はクラスII。
TAXUSエクスプレス2ステントは、経皮的冠動脈ステント留置術を実施するのに際し、血管内腔の確保を目的に病変部に挿入留置して使用するステントセットで、国内では2品目。ステント表面には再狭窄抑制作用を目的とし、抗増殖作用のあるパクリタキセルを含有するSIBSポリマー(スチレン・イソブチレン・スチレン・トリブロック・コポリマー)がコーティングされている。ステント留置部位で、コーティングからパクリタキセルが局所的に溶出する。クラス分類はクラスIV。
承認に当たって、▽市販前臨床試験及び国内臨床試験における対象患者の予後について、経年解析結果を毎年報告する▽市販後調査(2000例)により長期予後を観察し、経年解析結果を報告する▽再審査期間中に国内において、ステント血栓症が発生した場合、速やかに報告し、1年ごとに集計した成績を提出する””などの条件が付された。
またこの日は、眼科用冷凍手術ユニット承認基準、脳動脈瘤手術用クリップ承認基準、脳動静脈奇形手術用クリップ承認基準など3件の認証基準案を審議し、了承した。