薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は7日、既存のGABA受容体作動薬を光学分割したエーザイの睡眠導入剤「ルネスタ」や、4週1回の点滴静注で済む帝人ファーマの骨粗鬆症治療薬「ボナロン」、佐藤製薬の局所麻酔用液剤「エムラクリーム」の承認など5件を審議・了承した。
▽ルネスタ錠1mg、同2mg、同3mg(エーザイが製造販売)=新有効成分のエスゾピクロンを含有し、不眠症を効能・効果とする。
ラセミ体の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬「ゾピクロン」から活性の強いS体のみを光学分割し、神経伝達物質のGABA受容体への結合を高めた。そのため、投与量がゾピクロンの1回7・5~10mgに対し、同剤は1回1~3mgと半分以下で済む。再審査期間は8年で、海外承認は米国のみ。
▽ボナロン点滴静注バッグ900μg(帝人ファーマ)=アレンドロン酸ナトリウム水和物を有効成分とし、骨粗鬆症を効能・効果とする新用量・剤型。
週1回投与のボナロン錠など、既存の経口ビスホスホネート系薬剤は、逆流による食道障害のリスクがあるため、服用後少なくとも30分は横になれないが、注射剤にしたことで、こうした制約をなくした。再審査期間は4年で、海外での承認はない。
▽エムラクリーム(佐藤製薬)=リドカインに新有効成分のプロピトカインを配合した。皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和を効能・効果とするアミド型局所麻酔薬。
神経を一時的に麻痺させて痛みを感じなくさせる。類薬に、ペンレステープ、キシロカインなどがある。再審査期間は8年で、海外72カ国で承認されている。
▽ベセルナクリーム5%(持田製薬)=イミキモドを有効成分とし、日光角化症(顔面または禿頭部に限る)の効能・効果を追加した。
日光角化症は、紫外線曝露によって誘発される皮膚前癌病変で、外科的な切除が難しい顔面などの病変には、類薬の5‐フルオロウラシル(5‐FU)軟膏が用いられている。再審査期間は4年で、海外45カ国で承認済み。
▽モディオダール錠100mg(アルフレッサファーマ)=モダフィニルを有効成分とする過眠症治療薬で、現行はナルコレプシーの適応を持っている。今回、持続陽圧呼吸(CPAP)療法等による気道閉塞に対する治療を実施中の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気を効能・効果に加える。類薬にはアセタゾラミドがある。海外では7カ国で承認されている。再審査期間は5年10カ月。