中央社会保険医療協議会は2日、薬局が患者から窓口で受け取る医療費の支払いに応じてポイントを付与する行為を、原則認めない方針を了承した。クレジットカードや汎用性のある電子マネーの使用に伴うポイントは、患者の利便性を考慮して「やむを得ないもの」として引き続き容認する。「保険医療機関及び保険医療療養担当規則」と「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」を改正し、2012年4月に施行する。
現行の保険制度では、貯まったポイントで一部負担金を減額しなければ、ポイントを付けたり、一般の商品の割引きや景品交換にポイントを使うことを禁止する明確な規程がない。
ドラッグストア併設型の大手調剤薬局で、保険調剤に対するポイントサービスが昨年広がったのを受け、厚生労働省は1月に自粛を求める通知を出した。しかし、現在もサービスが継続されており、10月の中医協で日本薬剤師会常務理事の三浦洋嗣委員が不快感を示していた。
この日の会合では、厚労省が「調剤料や薬価が中医協の議論を経て公定されており、ポイントのような付加価値を薬局に独自に付与することは、医療保険上ふさわしくない」と指摘。「患者が薬局を選択するに当たっては、調剤・薬学的管理・服薬指導の質を高めることが本旨であり、適切な健康保険事業の運営の観点から、ポイントの提供によるべきではない」との認識を説明した。
中医協は、厚労省の考え方を支持して原則禁止で合意。健康保険組合連合会常務理事の白川修二委員からは、「そんな余裕があるなら薬価下げろと言いたいが、薬局全体ではなくて、一部が客寄せをやってるのが実態というのも承知している。公定価格である以上、値引き行為は認めるわけにはいかない」との意見が出た。
調剤ポイント機能が付いたクレジットカードの場合は、クレジット会社のポイントだけが認められることになる。