米アボットは19日(現地時間)、医薬品事業を分割し、新薬を扱う研究開発型の新会社を設立すると発表した。新会社は、アボットが販売する医療用医薬品と開発パイプラインを手がけ、それ以外のブランドジェネリック、診断薬、医療機器、栄養事業は、アボット本体に存続させる。
分社化により、新会社は研究開発型の製薬企業として、新薬の開発や販売を行う。社名など詳細は未定。アボットの医療用医薬品事業は、主力品に関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」、抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体「シナジス」があり、開発パイプラインは、C型肝炎や多発性硬化症、癌、免疫等を重点領域と位置づける。新薬事業の年間売上高は約180億ドル。新会社のCEOには、リチャード・ゴンザレス執行副社長が就任する予定。主に新薬の収益は先進国市場から稼ぐ。
一方、新薬以外のブランドジェネリック、診断薬、医療機器、栄養剤の各事業は、アボット本体に存続させ、成長著しい新興国市場をターゲットにする。年間売上高は220億ドルで、今後は新興国市場からの売上比を約4割にまで引き上げる計画。