厚生労働省は26日、血液事業担当者会議へ2010年度の献血実施状況などを報告した。それによると、10代の献血率は6.1%へ前年度から0.1ポイント改善したが、20代は7.7%へ0.1ポイント低下した。また、集団献血への協力企業・団体は約2000社増加し4万5343社、複数回献血も約1万5000人増加し99万9325人となった。
厚労省は「献血推進2014」を昨年策定し、14年度までに若年層の献血率を10代で6.4%、20代で8.4%まで引き上げ、集団献血の協力企業を5万社、複数回献血者を年間120万人まで増やす目標を掲げている。
会議の冒頭、厚労省医薬食品局の三宅智血液対策課長は、「特に将来のことを考えると、若い人への働きかけが重要」と述べ、都道府県の担当者へ対応を促した。
このほか会議では、今年4月に採血基準を改正した影響を日本赤十字社が紹介した。男性の400mL全血採血年齢を、従来の18歳以上から17歳以上に広げた結果、7月末までの4カ月間に、17歳の4408人が献血を実施しており、年間換算で約1万3000人になると推定した。
血小板成分採血についても男性の対象を見直し、上限年齢を54歳から69歳まで広げたところ、55~59歳の2万2811人が成分献血を実施していた。今の状況が続けば、同年齢層の血小板採血が年間約6万8000人になると見込んだ。
一方、男性の全血採血の血色素量の下限値を引き上げたことで、200mL希望者で240人、400mL希望者で1万2922人が献血できなかったという。
また、日赤は各自治体の合同輸血療法委員会の積極的な活動を求めると共に、都道府県単位で行っている血液センターの運営などを、来年4月から広域化することも説明した。合同委員会については、未設置4県での立ち上げと、停滞している委員会の活性化を要請した。センターの広域化については、需給管理や検査・製剤を全国7ブロック単位に変えることで、在庫不均衡の是正と輸血用血液製剤の安定供給が進むことや、県境の医療機関へ最寄りのセンターから血液製剤を供給できるようになるメリットを挙げた。