日本薬剤師研修センター(JPEC)と日本薬剤師会は都内で、「登録販売者のための一般用医薬品基礎知識研修会~薬局店頭で適切な情報を提供するために~」を開いた。研修会では、登録販売者と薬剤師が連携し、お互いを高め合う関係を構築していくことの重要性が示されたほか、登録販売者も患者・消費者の問題を解決する役割を担うべきことが指摘された。
「あなたはセルフメディケーションの担い手~消費者に安心・安全を~」と題して講演した亀井美和子氏(日本大学薬学部教授)は、「登録販売者も薬剤師も、消費者にとっては同じ薬の専門家」とし、「登録販売者も薬剤師と同様の責務を担っている」と指摘。▽トリアージ▽情報提供▽相談応需‐‐などの具体例を挙げ、「薬剤師がいない店舗では、登録販売者がそれら全てについて責任を持って対応することが必要だ」と話した。
その上で、「消費者の中には、話を聞きたくても聞けなかったり、聞きたくない人もいる。だからこそ、登録販売者、薬剤師は消費者に能動的に関わることが求められる」と強調。とりわけ、「販売後にいつでも相談に来てください」「相談して良いのです」といったメッセージを伝えることが重要だとした。
また、薬剤師は薬のプロとして、登録販売者からの相談にも対応する責務がある一方、経験を積んだ登録販売者と新人の薬剤師の場合には、「教える、教わる」が逆になるケースもあり、「お互いが医薬品販売の専門家として自己研鑽することに加え、お互いを高め合っていく関係が大切だ」と話した。
日本薬剤師会一般用医薬品委員会の佐々木孝雄氏は、「こんなとき、あなたはどうしますか?~登録販売者の仕事を考えよう~」をテーマに講演した。佐々木氏は登録販売者の役割に関して、「単に指名商品を販売するだけではプロの仕事とは言えない」と指摘。医薬品などを販売することが最終目的ではなく、消費者が抱えている問題の解決に向けて、情報を収集し、状況を見極めて、消費者にとって適切な製品を選択し、適切な情報提供を行う必要があるとした。