アストラゼネカと第一三共は、15日に新発売するプロトンポンプ阻害薬「ネキシウム」(一般名:エソメプラゾール)の共同販促を、MR3500人体制で進め、国内PPI市場で早期にトップシェアを目指す方針だ。過去にない圧倒的なディテール数と卸カバー率を背景に、大規模なプロモーションミックスを展開。増加する逆流性食道炎(GERD)患者をターゲットに、世界売上高80億ドルを超える大型製品の最大化を目指す。
ネキシウムは、オメプラゾールの光学異性体で、高い酸分泌抑制効果を発揮する。既にアストラゼネカが世界120カ国以上で発売し、10億人を超える豊富な臨床経験を持ち、売上高が世界第4位のブロックバスターに成長している。
12日に都内で記者会見したアストラゼネカの金子潔取締役プライマリーケア事業本部長は、「欧米に比べて日本では、上腹部症状に対するPPI市場シェアが低い」と指摘。今後、国内でGERD患者が増加し、現在2200億円のPPI市場の拡大が予想されることから、「日本でもPPIブランド市場で、欧米と同じぐらいのシェアに近づけたい」と意欲を語った。
その上で、「ネキシウムの薬価は、オメプラゾールに比べて低くなったが、患者さんにとっては、より効果の高い新薬が安く手に入ることになり、製品戦略上は有利になる」とした。
一方、国内販売を手がける第一三共の木伏良一常務執行役員医薬営業本部長は、過去にない最大規模の陣容を投入し、国内PPI市場でネキシウムの最大化を目指す考えを示した。
アストラゼネカと第一三共のMR3500人体制を背景に、圧倒的なディテール数と卸カバー率を確保すると共に、講演会やテレビシンポジウムの開催など、プロモーションミックスを展開。DTCにも積極的に取り組み、早期に国内PPI市場のトップシェアを狙う構えだ。木伏氏は「両社のコラボレーションによって、かなりの種類と量のプロモーション活動が展開できる」と自信を示した。