厚生労働省は9日、今年度第三次補正予算案の厚労省要求事項と、東日本大震災からの復興に向けたロードマップを発表した。
三次補正では、東北発の革新的医療機器創出・開発促進事業として43億円を計上した。地域医療再生基金を積み増して、岩手、宮城、福島の被災3県の企業・大学・医療機関が連携した臨床試験などを財政支援する。医療機器開発を通じて企業誘致や雇用創出などの地域経済活動を再生するため、税制措置や薬事規制の緩和措置を組み合わせた「復興特区」構想を経済産業省とも連携して推進する。
地域医療体制提供体制の再構築には720億円を充て、これも再生基金を積み増す。被災3県が策定する医療の復興計画に基づいて、病院の機能分化、診療所の在宅当番医制への参加、在宅療養支援病院・診療所の整備などを進める。医療機関相互の情報連携の基盤整備や医師・看護師ら人材の確保にも取り組む。
このほか、今後の災害に備えて全国向け防災対策費として267億円を盛り込んだ。医療施設耐震化基金を使って、災害拠点病院などの耐震化や災害派遣医療チームが携行する通信機器の整備などを支援する。
復興ロードマップについては、医療分野について、当面の医療機能の確保から、新たな医療提供体制の再編へと対応を切り替えていく方向性や、被災地における医療従事者を育成・確保に中期的に取り組む方針を示した。