医療ソリューションに関する非営利団体「メディカルソフトコンソーシアム」(MSC)が発足した。日本医師会が進めているORCAプロジェクトの趣旨に賛同し、廉価で安心して使用できるレセプトシステムの開発、提供を目指す中で、異業種の交流も進めていく。いまMSCでは、プログラミングができる「技術会員」と、医療職の「医療会員」を募集している。
日医のORCAプロジェクトは、「医師会総合情報ネットワーク」を構成するツールの一つ。プロジェクトは全国の医師や医療関係者が無料で使え、改良できるソフトウェアを公開し、日医主導により医療の情報化を推進することが狙い。
MSCによれば、現在までにORCAを導入している医療機関は、全国で約4000施設。約10万という病院・診療所の数からすると、まだ普及率は低い。そこで医療機関等に向けたアプリケーションとドライバに関する流通、情報交換、技術交流の場としてMSCを設立し、ORCAビジネスの普及拡大と図ることにしたもの。
事業としては、▽ORCAサポート事業所、一般事業所の技術向上に向けた指導や講演活動▽ORCAを含む医療系ソフトの普及・促進▽ORCAプロジェクトと連携し、より使いやすいシステムの開発▽医療関係者の意見を反映した簡単で安全なシステムの構築▽国内及び海外企業との交流――などに取り組む。
これらの事業を推進するため、コンソーシアム内には、[1]ORCAの改良、ディバイスドライバの開発、セキュリティー強化システムの開発などを行う「技術開発委員会」[2]ORCAシステムの流通などを担う「流通構築委員会」[3]各種のセミナーを企画したり、システムの構築事例を紹介する「セミナー委員会」[4]国内、海外におけるシステムインテグレータ(SI)構築事例を収集、紹介する「事例研究委員会」[5]ORCAで稼働するプリンタの実証と認証を行う「プリンタ稼働実証委員会」――が設置されている。
参加している企業は、ageUN、ソニー、デル、シーエムジャパン、プリンストンテクノロジーなど電子関係分野のほか、総合通信販売会社のセシール、ワコールのインテリア事業部である七彩など。会長には大場章弘氏(ageUN執行役員)が就任した。会員登録などの問い合わせは、MSC事務局(電話03・5367・4411)の細川氏まで。