日本医療機能評価機構が医療事故情報収集等事業の2010年年報を発表した。昨年1年間の医療事故報告は、国公立病院や大学病院など報告義務のある医療機関から2182件、任意参加医療機関から521件の合計2703件あり、過去最多となった。同機構は「報告することが、事業開始後6年を経て次第に定着してきていることの現れ」としている。
義務対象272医療機関の報告では、事故の当事者職種は医師1199人、歯科医師35人、看護師1498人、准看護師23人、薬剤師13人など。
事故の概要は、療養上の世話が950件(全体の43・5%)で最も多く、以下、治療・処置の505件(23・1%)、ドレーン・チューブの175件(8・0%)、薬剤の139件(6・4%)と続く。
事故の程度別に構成比を見ると、「障害なし」23・8%、障害残存の「可能性なし」27・6%、「可能性低い」26・8%、「可能性高い」10・3%、「死亡」8・3%だった。
また、同事業ではヒヤリ・ハット事例も収集している。10年は529医療機関(病床数合計20万8609)から56万0024件の発生報告があった。
内訳は、薬剤が18万6424件で最も多く、療養上の世話は12万7918件、ドレーン・チューブは9万0797件、検査は4万2417件だった。