2009年から施行される改正薬事法への対応が薬業界の重要な課題となっているが、医薬品販売に携わる関係者を中心に、「日本医薬品登録販売者協会」(仮称)が近く結成される運びとなった。改正薬事法では、新たな一般薬販売の専門家として「登録販売者」制度が誕生するが、同協会ではこの登録販売者の養成、生涯教育・継続教育など、新たな制度が機能し、かつ社会に役立つための支援事業を行っていく計画。当初は任意団体として活動するが、9月までに有限責任中間法人として組織・運営体制を再編し、本格的な活動を目指すという。
同協会の事業としては、[1]登録販売者の養成支援(受験支援)[2]生涯継続教育[3]医薬品及び制度情報提供の支援[4]医薬及び法律サポート[5]開設者事業育成支援[6]登録販売者の地位向上のための建議・提言――などが挙げられている。
会長に就任する鎌田伊佐緒氏(全日本薬種商協会)は、「これまで全薬協は薬業5団体の連絡会で議論を重ねてきたが、(協会としての方向が変わったこともあり)全薬協として新団体にスライドすることはない。私も含めた関係者は所属する団体を抜けて参画するのではなく、新たな販売者のための一種の受け皿づくりの窓口という考え方に賛同したものだ」と述べ、全薬協としての参画ではないことを強調した。
さらに鎌田氏は、「今後重要なことは、試験の実施に関する検討会が厚生労働省で立ち上がっているが、この推移も注視しながら、新制度に対応するためのしっかりした組織に作り上げることだと思う。改正薬事法を実効性ある制度としてスタートさせないと、せっかくの制度が『以前と同じではないか』という批判を生じかねない。各役員、関係者と共に、登録販売者の様々なサポートを目指した組織づくりに努力していきたい」とし、今後は3月中に事業計画・運営基準を決め、4月から法人や個人会員の募集を始めたいという。
このほか日本チェーンドラッグストア協会、日本保険薬局協会、日本置き薬協会に新団体などが加わり、様々な職能の連携を目的とする「日本薬業連絡協議会」も、発足に向けて準備が進められているほか、主に有識者や弁護士による第三者機関としての「日本薬業管理監督機構」、各業界が一致団結して支持政党や政治家を支援していく「日本薬業政治連盟連絡協議会」、販売専門家(薬剤師、登録販売者、配置員)の継続的な資質向上について、専門的かつ合理的な運営を行うための研修サポート機構「日本薬業研修センター」、各地の専門学校とリンクした教育・研修支援組織「全国薬業専門学校連絡協議会」が、順次立ち上げを計画している。
新組織は鎌田会長のほか、副会長には小田兵馬、足高慶宣の両氏、理事は漆畑稔、川島光太郎、堀美智子、和田高士、小林郁夫、内藤隆、羽生富雄の各氏、事務局は宗像守氏という陣容でスタートする。事務所は今月10日から、日本薬業共同事務所(東京都港区虎ノ門1の1の12虎ノ門ビル505)に置かれる。電話・FAXは未定。開設までは日本リテイル研究所・宗像氏(電話045・474・2521)が連絡先を務める。
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