日本CRO協会は2月28日、2006年の年次業績報告(38社/総会員数39社)をまとめた。それによると、[1]06年の総売上高は831億4400万円で、対前年比121億5000万円(17.1%)の増加、07年は920億円を見込む[2]総従業員数は7487人で437人(6.2%)増、今年の概算予測は8300人[3]医薬品・医療機器等・食品関連プロジェクトの受注総数は4170件(うち医薬品関連は3269件)――など、売上高、従業員数は引き続き拡大傾向にある実態が明らかになった。プロジェクト(プロトコール)数は前年から微減傾向にあるため、1プロジェクト当たりの売上げが拡大していることを示している。
また、会員数は前年の37社(正会員17、準会員11、賛助会員9)から39社(正17、準10、賛助12)へ増加した。なお、会員と資本関係にある関連企業30社を含めると、売上高は1234億7800万円、従業員数は1万1553人という規模に達する。
06年の業績概要は次の通り。
◇売上高
前回の報告では、06年売上高を770億円と予測していたが、それを大きく上回る結果となった。売上高の領域別割合は、医薬品74%、医療機器等1%、食品2%、SMO/CRC7%、前臨床4%で前年と大きな変化はない。
医薬品・医療機器等・食品関連の売上高は641億1800万円(前年542億0600万円)、うち医薬品業務は614億7300万円(518億0300万円)だった。業務別構成比は、モニタリングが55%で過半を占め、データマネジメント(DM)/統計解析21%、登録・データセンター4%、メディカル・ライティング2%と続く。医薬品業務売上高をフェーズ別にみると、PIが4%、PII20%、PIII32%、市販後臨床試験・その他市販後30%で、PIIIと市販後試験で6割以上を占めている。構成比は前年とほぼ同じ。
顧客別割合は、日本系72%、外資系28%。前年比で日本系が5ポイント減少し外資系が増加した。
◇従業員数
前回報告では従業員数を8000人と見込んでいたが、こちらは予測を500人程度下回った。業務別割合は、モニタリングを担うCRAが36%と最も多く、DM/統計解析20%、CRC6%、薬事・コンサルティング2%、管理部門8%、その他(営業、臨床サポート業務、データベース・システム構築、臨床検査業務など)28%となっている。
雇用形態は正社員が76%、アルバイト・派遣社員等は24%。
▽プロジェクト概要
受注した4170プロジェクトの業務割合は、モニタリング15%、DM/統計解析26%、登録・データセンター7%、メディカル・ライティング10%、その他42%と、売上高構成比とは大きく異なっている。
4割以上を占めている「その他」は、医療機器申請関連、食品試験、EDC等データベース・システム作成、後発品を含む同等性試験、医師主導・臨床研究・学術調査、教育研修、安全性情報、品質管理関連などである。
医薬品関連プロジェクトをフェーズ別にみると、PI15%、PII14%、PIII19%、市販後臨床試験5%、その他市販後調査23%、その他24%となっている。