埼玉県警は19日、埼玉県薬剤師会会長で今年初めまで日本薬剤師会理事を務めていた小嶋富雄氏(有限会社小嶋薬局社長・越谷市)および「小嶋薬局本店サンセーヌ薬局」の女性管理薬剤師1人を、それぞれ業務上過失傷害容疑、業務上過失致死容疑でさいたま地検に書類送検した。
県警および県薬務課によると、送検容疑内容は、昨年3月25日、春日部市在住の無職女性(当時75歳)に対し、小嶋会長が胃酸中和剤を調剤しなければならないところを、コリンエステラーゼ阻害薬を調剤し、監査もせずに交付。女性管理薬剤師は、4月1日、その調剤ミスの報告を受けたものの、患者に対する服用中止の指示や薬剤回収をせず放置、結果として4月7日に死亡させたとの疑い。
県薬務課では、同薬局での調剤過誤が発覚した後、昨年4月23日付で、県下薬局に対し、再発防止に向けた注意喚起を図ると共に、保健所による立ち入り検査を行う際には[1]自動錠剤分包機[2]毒薬等の適正管理を県独自の重点項目として盛り込んだ。同薬局については昨年、保健所による立ち入り検査後、再発防止策の提出を受け、8月6日に再び立ち入り検査により改善状況を確認。今年7月にも立ち入り検査を行ったとしている。また、19日付の書類送検に対する同薬務課の対応としては、さいたま地検での患者死亡と調剤過誤との関係についての結論を待った上で、必要な行政処分を行うこととしている。