武田薬品は、米アミリン社と米国で共同開発中の、プラムリンタイドとメトレレプチンの併用による肥満治療について、開発を中止すると発表した。両社は、開発計画の見直しや、肥満症領域における環境変化などを踏まえ、今後の方向性を総合的に判断した結果、開発中止を決めた。
プラムリンタイドとメトレレプチンは、武田が2009年にアミリンから総額10億ドルで導入した抗肥満薬。アミリンが米国でプラムリンタイドとメトレレプチンの併用第II相試験を実施していたが、メトレレプチンによる治療を受けた肥満症患者2人に、中和抗体の発現が認められたため、今年3月に第II相試験を自主的に中断していた。
両社は、開発計画の見直しや抗肥満薬を取り巻く環境の変化など、総合的に判断した結果、プラムリンタイドとメトレレプチンの併用療法の開発中止を決めた。今後、メトレレプチンによる治療を受けた患者に発現した中和抗体に関する所見を、引き続き精査すると共に、他の新薬候補化合物の評価を行い、肥満薬領域で協業を進めていきたい考え。
米国で肥満領域を強化したい武田は、米オレキシジェンから導入した抗肥満薬「コントレイブ」についても、今年1月に米FDAから現行の申請内容では承認しないとの審査結果通知を受領し、長期の安全性追加試験の実施を求められている状況にある。現在、オレキシジェンとFDAが協議中。