日本OTC医薬品協会などOTC薬5団体による新組織「日本一般用医薬品連合会」(一般薬連合会)が、22日に発足した。一般薬連合会では今後、OTC薬を活用したセルフメディケーションの推進に向け、一般薬業界を代表して意見を外部に発信していくことにしている。同日に開かれた代表者会議では、会長に上原明氏(大正製薬会長兼社長)、副会長に三輪芳弘氏(興和社長)が選ばれた。
一般薬業界には、日本製薬団体連合会や日本製薬工業協会に対応するような組織がなかった。そのため、必要な情報の徹底や、業界としてまとまった行動が取れない面があった。また、政府や行政機関からも、業界を代表する団体の一本化の要望もあった。
一般薬連合会はどうした要望や課題に対応するために発足したもの。構成メンバーは、日本医薬品直販メーカー協議会(塩野紀子会長)、日本漢方生薬製剤協会(芳井順一会長)、全国家庭薬協議会(牧田潔明会長)、全国配置家庭薬協会(森政雄会長)、日本OTC医薬品協会(吉野俊昭会長)の5団体。
今後、当面の事業として、▽一般薬業界は統一感が希薄なため、産業としての活動・提言として認知されなかったことの弊害を見極め、その除去・解決を図る▽セルフメディケーションの普及など、各団体に共通する課題について、連携した取り組みを進める▽その他(健康関連商品の検討など)--を掲げた。
初代会長に就任した上原氏は、「高齢化が進み、日本の人口年齢構成からして、これらも社会保障費の負担は増え続ける。そういった中で、セルフメディケーションを浸透させることは、非常に重要な役目を担っていると考えている」と指摘。「セルフメディケーションの概念を生活者に理解してもらい、協力を得ることが重要になっている。また、社会保障費をどれだけ減らしながら有効に活用するかということが、今後の日本の発展のために必要」とし、「各団体とも設立趣旨や歴史過程はそれぞれだが、それら各団体の個性を尊重した上で、連携して取り組みを推進していきたい」と強調した。