厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会は8日、MSDの子宮頸癌や尖圭コンジローマを予防するHPVワクチン「ガーダシル」を、公費助成による「子宮頸癌等ワクチン接種緊急促進事業」に追加することを了承した。「サーバリックス」に次いで2番目。
ガーダシルは、子宮頸癌の発症原因とされるHPV16、18型のほか、尖圭コンジローマの発症原因とされるHPV6、11型の感染も予防する効能・効果を持つ。2006年に米国で承認されて以来、123カ国で承認されている。
昨年11月から公費助成による緊急接種事業がスタートしたサーバリックスは、接種者が大幅に増加したことから供給不足が続いていたため、部会では、▽国がMSDに対してさらなる供給量の確保を要請▽サーバリックスとガーダシルが同様に、子宮頸癌予防の効果を持つことを広く周知し、円滑に接種が行われるような方策を講じる――を前提とする方針が示された。
厚労省は、来年3月までの子宮頸癌予防ワクチンの供給量について、約850万本(ガーダシル210万本、サーバリックス640万本)程度と見込んでいる。
この日の部会では、不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会を設置することも了承された。
早ければ、来年度中にもジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオの4種混合ワクチン(DPT‐IPV)が国内導入されるが、既にDTPを接種している場合、4種混合を接種すると過剰接種になる。そのため、既に三種混合を受けた人も対応できるよう、単抗原不活化ポリオワクチン(単抗原IPV)の開発も進められている。
検討会では今後、生ワクチンから不活化ワクチンに円滑に移行させるための方策などを審議していく。