ジェンザイム・ジャパンの遺伝子診断事業を引き継ぎ、新たに設立された「ラボコープ・ジャパン」が、4日に事業をスタートした。今後、重点領域の出生前診断事業を引き続き強化すると共に、個別化医療の進展を睨み、癌関連検査の導入も検討していく方針。岡嶋正治社長は、6日に都内で開いた記者会見で、「年率10~15%の成長を達成したい」との目標を語った。
米ジェンザイムは、稀少疾患領域で医薬品や医療機器の開発に経営資源を集中させるため、昨年12月に米検査薬大手のラボコープに遺伝子診断事業を譲渡。これに伴い、今年5月にラボコープ・ジャパンが設立、4日から事業を開始することになった。
ラボコープ・ジャパンでは、母体血清マーカー検査(クロマトテスト)や細胞遺伝学的検査、分子遺伝学的検査の出生前診断や、新生児や小児を対象に、アレイCGHを用いた微細染色体・遺伝子異常分析検査を重点領域に掲げる。出生前診断事業については、国内の医療機関で採取した妊婦検体を、米ニューメキシコ州にある旧ジェンザイムの検査所に輸送し、そこで分析を行う。遺伝子医療に対応した専門人材として、遺伝コーディネーター2人を配置しており、医師が患者に対して行う遺伝学カウンセリングのサポート体制をさらに強化する。
さらに今後、これらの重点領域に加え、ラボコープが米国で行う検査サービスを国内で導入していく方針。特に個別化医療の進展が見込まれる癌領域については、固形癌の発症に関わる遺伝子をターゲットに、検査法の導入を検討するとしている。