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日本薬剤師会の第102回通常代議員会が24、25の両日、東京港区の虎ノ門パストラルで開かれ、後期高齢者医療のあり方や登録販売者試験などを中心に、幅広い問題について質疑が交わされた。登録販売者については、薬剤師との役割分担を明確にした上で、販売者の養成・研修に日薬が積極的に関わっていく方針が示された。このほか▽日本学校薬剤師会と穏便な関係を保つこと▽FAX分業では都道府県の意見を広く集約すること””などが代議員から要望された。
後期高齢者医療制度をめぐっては、調剤報酬の方向性について多数の代議員から質問があった。質問に答えて山本信夫副会長は、自民党のヒヤリングで、高齢者における薬物治療の特性や、同制度における診療報酬・調剤報酬などについて説明したことを報告。さらに「現実問題として、薬を含んだ包括が可能かどうかも含め、関係方面と折衝している」と答弁した。
一般薬販売では、登録販売者制度の議論が進む中で、▽薬剤師職能発揮の場の確保▽登録販売者試験””などで質問が上がった。児玉孝副会長は、職場の確保について「職能を確立していくことが職場確保につながっていくと考えている」と説明。登録販売者試験では「登録販売者の研修、養成に積極的に薬剤師会も関わっていく必要があるだろう」との見方を示した。
4月から新実施要項が施行される基準薬局制度については、認定を取得する意義や都道府県によるバラツキ、地域住民への啓発などで質疑が交わされた。生出泉太郎常務理事は、日薬のホームページなどでPRすると説明すると共に、「認定の数が増えることが全てではない。都道府県によって認定率にバラツキが出たとしても、まずは理想とする努力目標を示し、ハードルを高く掲げて取り組んでいきたい」との認識を示した。
処方せんFAX分業では、日薬執行部が“都道府県の要望や意見を集約した上で、それらを考慮し今後の対策を検討したい”としていたことについて、意見募集の進捗状況が問われた。また通知で示された▽運用上主体は病院とする▽費用負担は患者に求める””といった事項は、現実的に実行困難であることなどが指摘された。
藤垣哲彦常務理事は、意見募集はまだ行われていないことを説明した上で、「日薬としては通知で示された事項が原点であると考えている。しかし、かかりつけ薬局や面分業推進の上でどのような方法が良いかは、都道府県から意見を集約した上で対策を検討したい」と改めて、各県の意見に耳を傾ける姿勢を示した。
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