田辺三菱製薬と日本赤十字社は17日、来年4月1日をメドに、田辺三菱製薬子会社ベネシスの血漿分画製剤事業と日赤の血漿分画事業部門を、統合することに向けて検討を開始することに合意したと発表した。
血漿分画事業統合に向けた検討への合意は、日本国内における血漿分画事業の安定的継続という国民の負託に応えることを目的としたもの。
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会の「血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会」の中間報告でも、新法人設立に向けた具体的検討の開始について基本合意している。両社血漿分画製剤売上高合算は約370億円(2009年度薬価ベース)
わが国における血漿分画製剤は、国内自給が達成されていないのが現状だ。特に、アルブミン製剤は58・7%(10年)で、国内製造が全く行われていない製剤もある。その主な理由は、国内各メーカーの生産規模が、全世界を市場とする海外競合メーカーに比べて小さく、製造コストを含め、事業の効率化にも限界があるためだ。
両社を統合して設立する新法人は、公益性の高い営利を目的としない法人とし、スケールメリットを生かした経営で、生産段階および供給段階でのコストを低減。事業の健全性を確保することで、血液製剤の国内自給達成を目指す。