MSDと大鵬薬品は、承認申請中の抗癌剤「ボリノスタット」について、国内販売契約を締結した。MSDが国内で承認取得後、大鵬薬品がボリノスタットの販売・情報提供活動を開始する予定。
ボリノスタットは、米メルクが創製した新規作用機序の抗癌剤で、経口投与が可能なヒストン脱アセチル化酵素阻害剤。MSDが昨年6月、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の適応で承認申請を行った。ヒストン脱アセチル化酵素を阻害することによって、癌関連遺伝子の発現を抑制して、抗腫瘍効果を発揮する。
癌領域を重点分野に位置づけるMSDは、脳腫瘍治療薬「デモダール」を国内で販売しているが、ボリノスタットについては、経口抗癌剤で実績のある大鵬薬品に販売委託を判断した。今後、MSDが製造販売元、大鵬薬品が販売元となる。
既に海外では、カナダ・豪州を含む16カ国で承認され、米国で「ゾリンザ」の製品名で発売されるなど、再発・難治性CTCLの標準治療薬として使用されている。