大幸薬品は、樋屋製薬(大阪市北区)が製造する、小児五疳薬「樋屋奇応丸」の11品目について、国内独占販売権契約を締結した。両社は契約締結に関して、「家庭薬によるセルフメディケーションの普及に努めている樋屋製薬と大幸薬品の、双方のニーズが合致した」としている。大幸薬品では、販売会社の樋屋奇応丸から「樋屋奇応丸」11品目の販売を引き継ぎ、大幸薬品が発売元となる新たな製品を、8月1日から出荷を開始し、8月上旬からの店頭販売を予定している。
「樋屋奇応丸」は、1622(元和8)年に創製された小児五疳薬(小児鎮静薬)。ジャコウやジンコウ、ユウタンなどの生薬を主成分とし、1歳未満から15歳までの乳児・幼児・小児の夜泣き、かんむしなどに効果を発揮する。16歳以上でも服用できる「樋屋奇応丸EX」も販売しており、関西以西ではトップブランドとして高く認知されている。
今回、販売移管するのは、「小児薬樋屋奇応丸」(110粒)、「同」(190粒)、「同」(315粒)、「金粒樋屋奇応丸」(75粒)、「同」(200粒)、「同」(500粒)、「小児薬樋屋奇応丸ハローキティ」(219粒)、「金粒樋屋奇応丸ハローキティ」(221粒)、「樋屋奇応丸EX」(80粒)、「同」(180粒)、「樋屋奇応丸糖衣」(120粒)の11品で、すべて第2類医薬品。
樋屋製薬の坂上隆彦社長は、「400年にわたり、小児良薬としてご愛飲いただいている『樋屋奇応丸』を、より幅広く生活者のセルフメディケーションに貢献できるよう、大幸薬品と日本市場での販売活動について、提携関係に入ることになった。このことが家庭薬業界の新たな発展の一助になれば幸いで、今後も引き続き『樋屋奇応丸』ブランドに対するご愛顧をお願いしたい」としている。
一方、新たな発売元となる大幸薬品の柴田高社長も、「わが社も家庭薬として100年以上歴史のある『正露丸』を製造販売してきた。『樋屋奇応丸』は、これよりも長きにわたり飲み続けられている、後世へも伝承すべき貴重な家庭薬といえる」とすると共に、「特に核家族化が進み、育児においては母子ともに様々なストレスがかかる今日、なくてはならない常備すべき家庭薬として、より一層の普及に努めていきたい」としている。