薬事・食品衛生審議会の医薬品第二部会は5月31日、医薬品第一部会は1日、稀少疾病用医薬品として、それぞれ3件、1件の指定を了承した。
第二部会
▽ドルナーゼアルファ(申請者・中外製薬):予定される効能・効果は、嚢胞性線維症における肺機能の改善。
嚢胞性線維症は、主に新生児期や乳児期に発症する遺伝性疾患で、気道や消化管などの分泌液が粘稠となって呼吸器病変、消化器病変を生じる。予後が不良で、平均余命は30歳を超えず、ほとんどの患者が呼吸不全や呼吸器感染症で死亡するとされている。
国内の推定患者数は、1995年から04年の10年間で38人程度、発症頻度は174万人に1人と推定される。
▽トラベクテジン(大鵬薬品):予定される効能・効果は、染色体転座を伴う悪性軟部腫瘍。悪性軟部腫瘍の推定患者数は約5000人で、そのうち染色体転座を伴う患者は約25%。国内では、第I相試験が実施中で、アントラサイクリン系薬剤による前治療に無効となった患者を対象とした第II相試験の実施が予定されている。
▽スニチニブリンゴ酸塩(ファイザー):予定される効能・効果は、根治切除不能な膵内分泌腫瘍。膵臓のホルモン産生域で原発する癌の一種で、推定患者数は約2800人。そのうち根治切除不能な患者は約600人とされる。既に海外5カ国で承認されている。国内では第II相試験を実施中。
第一部会
▽ルフィナミド(エーザイ):予定される効能・効果は、4歳以上のレノックス・ガストー症候群(LGS)における強直発作および脱力発作に対する抗てんかん薬との併用療法。LGSは重篤な難治性のてんかん症候群の一つで、推定患者数は3600人。通常1~8歳の小児期に罹患する。発作の抑制が困難で、罹患の経過と共に不可逆的な精神遅滞が進行し、長期予後が不良。