業界標準の品質確立へ
日本CSO協会(JCSOA)が1日、医薬品販売業務受託企業9社で発足し、初代会長にクインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン社長の清水昇氏が就任した。国内でCSOが急速な成長を遂げ、サービスが多様化する中、CSO全体が共通指針のもとで質を向上させることが不可欠と判断。国内CSO9社が参加し、業界標準の品質確保を目指すことになった。都内で開いた設立記念式典で、清水会長は「協会をテコに、MRと企業の両方の質が向上し、業界が成長する方向に持っていきたい」と抱負を述べた。
日本でCSO事業がスタートして14年が経過し、MR数も約2500人規模と着実に増加してきた。実際、国内では全MRに占めるコントラクトMR比は、2010年で4・6%に過ぎないものの、00年の0・8%に比べて大幅に拡大し、急速な成長を見せてきた。また、CSO業務の内容も、MRの欠員補充や中途採用から、スペシャリティ領域専門MR、営業所を丸ごと請け負うマネジメント型業務など、サービスの多様化が進んでいる。
こうした中、新設されたJCSOAは、個々の企業でバラツキのあった質を標準化し、共通指針のもとでCSO全体の質を向上させることで、顧客である製薬企業からの信頼を確立するのが狙い。コンプライアンス遵守、ビジネスコンフリクトの対応などの課題に対応すると共に、各社の取り組みの最良事例を共有することにより、MRと企業の両方の質を高め、さらなる成長を目指す。
具体的な活動については、「人事・教育運営委員会」「法務・ガイドライン運営委員会」「広報・マーケティング運営委員会」の三つの運営委員会によって進める。特にJCSOAの憲章とも言える業界自主ガイドラインに関しては、「2年程度をメドにまとめ上げたい」(清水氏)としている。
JCSOAは、15年にコントラクトMRのアウトソース率が8~10%、CSOのMR数が倍増の5000人に増加すると予想している。清水氏は、「製薬企業のCSO活用機会は増えており、一層質を高める必要がある。4年後のコントラクトMR5000人を実現するためにも、質の向上と顧客ニーズに合った新しいサービスを展開し、協会をテコに業界が成長する方向に持っていきたい」と語った。
設立時の役員、加盟企業は次の通り。
〈役員〉副会長:市来研志(ファーマネットワーク顧問)、理事:佐野極(シミックエムピーエスエス社長)、監事:日比野恒子(アポプラスステーション会長)
〈加盟企業〉IML、アプシェ、アポプラスステーション、インヴェンティブ・ヘルス・ジャパン、オースクエア、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン、シミックエムピーエスエス、ファーマネットワーク、メディサイエンスプラニング(全9社)