薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会は20日、急性脳梗塞患者の血栓を吸引する国内初のカテーテル「Penumbraシステム」(申請者:メディコスヒラタ)の承認を了承した。事務手続きを経て正式承認される。
Penumbraシステムは、X線透視下で、患者の大腿動脈から吸引ポンプに接続したカテーテルを挿入し、脳梗塞発生部位の血栓を吸引、回収するもの。
ただ、吸引をかけるだけでは、カテーテルが詰まり、十分に吸引できない場合もあるため、先端が膨らんでいるセパレータをカテーテルの先端から出し、前後に動かしながら血栓を破壊し、取り除く。
同システムは、発症後8時間以内の急性脳梗塞患者で、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)の経静脈投与が適応外の患者や、t-PAの投与で血流が再開しなかった患者に用いる。適応外患者は、ワルファリンやヘパリンなどの抗凝固薬を服用しているケースや、肝障害患者など。
承認条件として、▽十分な知識・経験を有する医師による使用▽緊急時に対応できる体制が整った施設での使用▽全例調査――などが付される。
医療機器のクラス分類はIV。再審査期間は3年。欧州で2006年、米国で07年に承認を取得している。
1品目をオーファン指定
また、この日の部会では、小児用の「体外設置式補助人工ポンプ」(申請者:カルディオ)を希少疾病用医療機器に指定することも了承した。予定する効能・効果は、乳幼児および小児(新生児~10代)の重症心不全患者、移植待機患者、心筋炎患者の循環改善や心機能の回復。対象となる推定患者数は年間100例未満。
国内には、小児への使用に適した補助人工心臓はない。