2011年度の薬学部入学者数は、総定員数に届かなかったことが、本紙調査で明らかになった。入学方式が異なる東京大学と北海道大学を除くと、定員数1万2908人に対し、入学者数は1万2638人で、定員充足率(定員に対する入学者の割合)は昨年度とほぼ同率の97・9%だった。“定員割れ”した大学は20校で、昨年度より2校少なかった。一方、1割以上定員オーバーした大学が昨年度より6校増えて20校となり、アンバランスな状況が一段と進んだ。また、入学定員を削減する状況も続いてた。
今年度の総定員数は1万3068人で、昨年度より90人少なくなった。5校で定員変更が行われ、このうち6年制のみの、いわき明星大学が定員を150人から90人、城西国際大学が180人から150人、就実大学が150人から120人へ削減した。日本薬科大学では、6年制を320人から260人とする一方、新たに4年制学科(定員90人)を立ち上げ、学部全体では30人増の350人とした。また、慶應義塾大学では、6年制180人を150人に削減し、削減した30人を4年制に充て定員60人とした。この結果、昨年度に比べ6年制は210人減の1万1660人、4年制は120人増の1408人となった。
薬学部としての総定員数は、新設ラッシュの最後となった08年度に1万3494人となったが、その後は、受験倍率の低下と共に減少を続けており、最盛期に比べ3%ほど減少した計算だ。一時膨張した“薬学生”数は、次第に収縮しつつあるようだ。