富士経済は、化粧品とトイレタリー用品分野の医薬部外品について、これまでの動向をもとに2007年の市場見込みを調査し、報告書「医薬部外品マーケティング要覧2007」にまとめた。調査対象にした18分野(薬用スキンケア、ヘア・スカルプケア、ドリンク剤、デンタルケア、その他)の07年の医薬部外品市場は前年比0.3%減の1兆0974億円と見込んでいる。
主要分野の07年市場見込みは、薬用スキンケアが3972億円(0.3%増)、ヘア・スカルプケアが1881億円(1.9%減)、ドリンク剤(ミニドリンク剤含む)が1459億円(0.1%減)、デンタルケアが782億円(0.1%増)としている。このうち注目されるカテゴリーとして、洗口液(マウスウォッシュ、デンタルリンス)と、のど清涼剤を挙げている。
洗口液はオーラルケア意識の高まりに比例し、05年は各社の新製品投入と積極的な宣伝活動で市場が大幅に拡大、06年も相次ぐ新製品の投入で引き続いて市場が拡大した。ヘビーユーザー向け大容量の廉価タイプに加え、夜用・日中の歯磨きができない時用、舌苔・口中ねばねば感の除去といった新たな付加価値を訴求した商品が増加しており、今後も潜在需要の掘り起こしが進むとして2.6%増の160億円と見込んでいる。
のど清涼剤は、04年には新範囲の医薬部外品としてトローチ剤の清涼剤と口腔咽頭薬が加わり、その後も新製品の発売やドラッグストアを中心に量販店やコンビニエンスストアが配荷先に加わり、市場が拡大気味にある。また同分野の医薬品は縮小して、06年には医薬部外品が80%を超えている。今後は「大手メーカーの品揃えが進み、食品との競合もあって、拡大市場ながらメーカー格差が生まれてくる」としながらも、07年は6.0%増の53億円を見込んでいる。