東日本大震災での被災3県の沿岸地区における薬局被害状況などが26日、日本薬剤師会の調べにより明らかになった。岩手県では、沿岸部の薬局の半数近くが津波に流された。宮城県でも、南三陸町や石巻市などで大きな被害を受け、3分の1が消失したと見られる。なお、福島県でも津波の被害があったものの、原発事故の影響により残った薬局数について、正確に把握できていない状況だ。
被害状況は、日薬が各県薬からの情報をもとにまとめたもの。最も津波の被害が大きかった岩手県では、宮古市や大船渡市など沿岸地域の薬局83軒のうち、46軒が津波等の被害を受け、残った薬局は半数以下の37軒だった。陸前高田市と大槌町では、地域内の全薬局が消失した模様。
宮城県では、沿岸地域全体で153軒の薬局があり、うち44軒が被害を受け、残った薬局は109軒。南三陸町は全薬局が消失。石巻市や女川町でも、多くが津波で流されたと見られている。
なお、福島県では沿岸部に242薬局があり、相馬市で3軒、いわき市で60軒が津波の被害を受けたことが分かっているものの、原発事故の発生以後、何軒の薬局が残っているのか、実態を把握し切れていない。