薬事・食品衛生審議会安全対策調査会は22日、ワーキンググループがまとめた一般用生薬成分のリスク区分見直し案を、原案通り了承した。現行で第2類となっている245成分のうち、配合量に制限を付けるものを含め、123成分を第3類へ引き下げる。一方、第3類の408成分のうち、量的条件付きを含めて5成分を第2類に引き上げる。厚生労働省は、5月中にパブリックコメント手続きに入り、夏にも告示する予定。
今回の見直しは、成分単独の生薬学的評価だけでなく、副作用報告などから、製剤としての安全性も踏まえて区分を決めている点が特徴だ。
制限付きで3類に変わるのは15成分。このうち、シソ科コガネバナの根を乾燥した「オウゴン」は、医療用漢方製剤では注意が必要な生薬の一つとされ、調査会からも「懸念されるアレルギーや間質性肺炎といった副作用は、配合量とは関係ない」との見方も示された。しかし、生薬製剤では重篤な副作用が報告されていないため、1日量1g以下を条件に3類とすべきと結論づけた。
一方、配合量が一定以上の場合に2類とするのは4成分。このうち、紫ウコンの「ガジュツ」は、アナフィラキシーや肝障害などの重篤な副作用が出ているため、指定2類へする案も出たが、配合量が少ない製剤では副作用が報告されておらず、食経験があることから、1日5g以上の場合に2類とすることで合意した。
なお、製剤単位でみると、メーカーから申し出のあった生薬製剤1030品目について、厚労省が新たな区分を確認したところ、2類845品目のうち182品目が3類へ、3類185品目のうち15品目が2類へ移ることになる。