厚生労働省は、治験・臨床研究の推進策として、従来は厚労省・文部科学省・日本病院薬剤師会・日本看護協会・日本臨床衛生検査技師会の5団体を通じて行っていた、臨床研究コーディネーター(CRC)の初級者研修について、教育プログラムの基準を定め、治験中核病院などが独自に人材を育成できるようにする。効果的にCRC養成の裾野を広げることが目的で、近く基準を通知する。
厚労省と文科省の「新たな治験活性化5カ年計画」では、2011年度までに、研究内容の統一化を図り、新規CRC3000人の養成を目指すこととなっている。
CRCは07年の約5000人から年間500人程度増え、すでに6000人を超えたと見られるが、今のペースでは目標に届かないのが現状だ。
これまで厚労省は、医薬品医療機器総合機構の主催で、日本薬剤師研修センターが座学講習を担う形で人材育成を進めてきたが、事業仕分けで予算の適正化が求められたこともあって、今年度の総合機構予算に研修会経費を計上していない。また、人数の拡大だけでなく、上級者の養成も治験・臨床研究の活性化にとって重要な要素となっているため、初級者研修を開放することになった。
具体的な教育内容は、昨年11月に東京、今年1月に大阪で開催した上級者研修で、参加したCRC自らが協議した。通知では、最低限必要となるカリキュラムの項目を示す。