ブラジル原産のキノコの一種であるアガリクス・ブラゼイ(和名ヒメマツタケ、カワリハラタケ、以下アガリクスと略)製品を取り扱うメーカー等で組織するアガリクス・ブラゼイ協議会は、13日に都内で第1回総会を開催し、原材料や製品の安全性基準などを定めた自主ガイドラインや、今年度の活動方針を承認した。昨年秋から有志企業による任意団体として活動してきたが、今後は近くNPO法人として東京都に申請を行い、正式な組織体としてスタートすることとなった。
ここ数年、健康食品素材として注目を集めてきたアガリクスだが、原料供給元や販売会社も特に統一した基準がなく、各社の自主基準任せの状態であった。製品のクオリティが千差万別の市場の中で、悪質な製品を取り扱う企業や法令違反の企業が摘発される例もあって、現在では製品の各種データを多数保有し、法令遵守する企業が市場に残るという状況になっている。そこで消費者をはじめ内外にアガリクスの安全性を担保する情報を発信していくことを目的に、昨年9月に同協議会が発足した。
加盟企業は現在、アイ・エム・ビー、アイ・ビー・アイ、アトラスワールド、磐田化学工業、岩出菌学研究所、エス・エス・アイ、金秀バイオ、協和ウェルネス、小林製薬、シエン、東栄新薬、TTC、TROPIC OF CAPRICORN、日本メディカルマテリアル、ノエビア、パワフル健康食品、ビーエイチエヌ、ホクトメディカル、森下仁丹、ヤエガキ醗酵技研の20社と、協議会事務局を務めるバイオセラピー開発研究センターで構成する。
総会では理事10人の中から、会長に竹口雅之(エス・エス・アイ取締役)、副会長に川出光生(岩出菌学研究所所長)の両氏を選出した。また日本健康・栄養食品協会など第三者機関と連携して安全性等の評価を進めることなど、組織体制も固まった。協議会のロゴマークも決定したが、当面は商品以外の部分(正会員企業の名刺やホームページ)で使用する方向としたこのほか消費者向け小冊子の作成、公開講座なども予定する。
会員資格・入会基準でもある自主ガイドラインについては、原材料についての安全性基準(7項目)、個別商品についての安全性基準(7項目)を決定したが、当初1年間については、原料試験において小核試験を必ず行うことと、ヒトでの安全性を担保する上で過剰摂取試験を行うか、動物を用いた単回並びに反復経口投与試験(90日間以上)のどちらかを実施すること。また個別商品としてのメーカーには、安全性が担保された原材料100%で作られた製品を取り扱っているか、あるいは副原料等が入っている場合はヒトでの過剰摂取試験によって安全性がクリアされていることを条件とした。
協議会事務局は、東京都港区のバイオセラピー開発研究センター内(電話03・5537・3810)
- アガリクス・ブラゼイ協議会が発足‐安全性確保と規格基準づくり目指す
2006年08月04日