“調剤”のロボット化元年に
近年、薬剤師業務が服薬指導や在宅医療など患者を対象とする方向にシフトしていく中、「省力化」と「安全性」を実現するための、調剤業務の自動化へのニーズが高まりつつある。調剤機器メーカーのユヤマでは、「2011年を調剤のロボット化元年に」をキャッチフレーズに、昨年4月に発売した全自動PTPシート払出装置「ロボピック」の販売拡大に注力している。
調剤のロボット化で「PTP」が着目される理由は、PTP払出自動化以外の、手間のかかる業務(分包など)における省略化が既に完了しているためだ。

束払出装置(扉を開けた状態)
さらに、「PTP計数は、調剤業務の50~70%を占める」という同社の調査結果もある。従って、薬剤師が専門性を発揮するために調剤業務時間短縮と調剤過誤防止を実現するには、PTPシートの払出業務の自動化しかないといえる。
ロボピックの主な特長としては、[1]現場の実運用を充足するMAX210カセット(標準は129カセット)搭載で汎用PTPの自動化を幅広くカバー[2]1カセットに40シート(4・8mm厚時)セット可能で、作業効率面にも配慮した設計[3]シート単位だけでなく、端数単位でも、本体内部でオートカットして払い出す[4]専用の6分割トレイによって患者一人ごとの払い出しが可能となり、薬剤監査がしやすい[5]トレイ積み上げ部には、最大8トレイまで積み上げ可能[6]標準ユニットは横幅約2mとコンパクト――などが挙げられる。

内部
1月21日には、オプションとして、「束払出装置」が発売された。同装置は、最近増加している長期処方に対応するもの。箱から取り出したままの包装状態で100錠(ウィークリーシート時は140錠等)単位で自動払い出しを可能とし、ピッキング時間を大幅に短縮できる。束払出装置1台に最大42の専用カセット搭載が可能で、包装薬品サイズに応じてカセットは3種類用意されている。
カセットには、12束(厚み25mm束の場合)まで収納可能で、薬品元箱から取り出した包装状態のままで、簡単に充填が行えるのも特長の一つだ。
現在、ロボピックのユーザー薬局は20件を超えるが、同装置の導入先は大型チェーンのみではなく、薬剤師の専門性を発揮している薬局もその対象になると考えられる。
株式会社ユヤマ
http://www.yuyama.co.jp/