大日本除虫菊は、従来の蚊取り線香の約2倍の太さで拡散力がアップした「金鳥の渦巻太巻」、ワンプッシュの蚊用エアゾール「蚊がいなくなるスプレー130日」、速効成分フィプロニルを配合したゴキブリ用「コンバットαmixG6P」など、殺虫剤・虫よけの新製品18品を、今月から一斉に発売した。同社では今年度の販売目標として、殺虫剤で前年比112%を掲げており、今春の新製品とリニューアル品を加えた豊富な製品群と、従来以上のユニークかつ積極的なTVCMを投下することで、殺虫剤市場の活性化と、さらなるシェアアップにつなげる。
今年度の営業方針は、「トップブランドの拡充」と「伸長カテゴリーでプラスオン」の二つをテーマとした。蚊取り線香(金鳥香)では、70%以上のシェアを確保するレギュラーサイズに加え、ミニサイズも投入するなど、ニーズに応じたラインナップ強化を図ってきたことで、「ここ2年間では、20代の蚊取り線香使用者が着実に増加している」(荒井浩三取締役営業本部長)という。
そこで、今年度もサンプリング活動に加えて、CMには引き続き俳優の藤原竜也を起用し、若い世代はもちろん、あらゆる世代のファン層獲得を目指す。新たに太さ2倍の「金鳥の渦巻太巻」(防除用医薬部外品)を加え、「金鳥吊り下げ式かとり線香皿」もリニューアルして、市場活性化を期待する。
ハエ・蚊用エアゾールの「キンチョール」は、新製品はないものの、今年も“3倍・長持ち”のキャッチコピーを目立つ位置に表示し、お得感・経済性をアピールしていく。特に今年は、若い世代に人気のダウンタウン・松本人志をCMに起用し、ファン層を拡大していく販促戦略が注目される。
殺虫剤カテゴリーの中で、2006年から成長が目立つのが、同社の「虫コナーズ」に代表される“空間用虫よけ”分野。昨年度は110億円と液体蚊取りを抜き、殺虫剤市場の最大剤形となった。今シーズンは新製品として「虫コナーズリキッドタイプ100日クールミントの香り」が登場し、30日用・60日用・90日用・130日用の各タイプが揃ったことで、日数ラインナップと各種香りのラインナップで、多様化する虫よけニーズに応えていく。
殺虫剤の伸長カテゴリーは、空間用虫よけ、コバエ用、ワンプッシュエアゾールの三つで、金鳥の今シーズンは伸長カテゴリーの全てに新商品を投入した。また、市場の8割を占める成熟カテゴリー(蚊取り線香、電池式屋外用、ゴキブリベイト剤、ダニ用、アリ用、ナメクジ用)にも新商品を投入している。
注目されるのが、08年から市場に登場したワンプッシュエアゾールで、市場規模は08年9億円、09年15億円、昨年は25億円と大きく拡大している。
金鳥の「蚊がいなくなるスプレー」は、1回プッシュするだけで約12時間、蚊のいない空間を作る蚊取りエアゾールで、昨年度も好調に推移した。今シーズンは、独自の“ななめ噴射ボタン”を採用し、寝室やリビングに置いてもスタイリッシュな、チャイルドレジスタンス機構も採用したカバー(器具)付きの新製品も登場し、60日用・90日用・130日用のラインナップが揃った。
同社では「今年はワンプッシュエアゾールが、さらに大きく伸長すると予測している。安定した蚊取り線香やハエ・蚊用エアゾール等の成熟カテゴリーで売上のベースを確保し、空間用虫よけやワンプッシュエアゾール等の伸長カテゴリーで、いかに売上をオンさせていくかが店頭販売の重要なポイント」としている。