厚生労働省の「インフルエンザワクチンおよび子宮頸がんワクチン等の安全性に関する専門家委員会」は、昨年10月から接種を開始したインフルエンザワクチンの安全性について、1月末時点で「重大な懸念は認められない」との評価をまとめた。
今シーズンのインフルワクチンは、季節性(A/H3N2およびB型)と、新型(A/H1N1)の3株混合の3価ワクチン。1月末現在、5110万回分が医療機関に納入された。接種との因果関係にかかわらず、医療機関が報告した副反応は661人で、頻度は10万回に1回程度だった。
副反応のうち、入院などに相当する重篤なものは、医療機関から123人、製造販売業者から81人の報告があった(医療機関の報告と重複の可能性あり)。死亡例は22例(医療機関報告16人、企業報告6人)で、ワクチン接種との明確な因果関係がある症例は認められなかった。副反応の報告は、昨シーズン(09年10月~10年6月)の約10分の1に減少しているが、明確な理由は分かっていないという。
この日の会合では、子宮頸癌とインフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌の3ワクチンについても審議し、安全性に重大な懸念は認められないと評価した。
この中で、子宮頸癌ワクチン(09年12月から今年1月末までに延べ101万回の接種回数)については、128例の副反応のうち、失神が25例と目立ったため、委員から、年代別に失神発生頻度を調査、比較するよう求める意見が出た。