国立医薬品食品衛生研究所の「ジェネリック医薬品品質情報検討会」は9日、先発品と後発品で、腎毒性の発生頻度に差があると、学会発表で指摘されていたシスプラチンについて、先発品2製品と後発品4製品の純度試験を行った結果、いずれも標準品と不純物量に大きな違いが見られず、承認規格を満たしていることを確認した。国立衛研は、指摘論文が発表された学会へ情報提供する。
また、昨年4月から9月までの文献、学会発表、医薬品医療機器総合機構への相談内容について検討し、明らかに後発品の品質に問題がある事例がないと結論づけた。
同日の検討会では、今後の検討品目についても審議し、アスピリン腸溶錠について溶出試験を実施することや、新たに領域別の定量的な品質評価を進めることを合意した。
アスピリン腸溶錠については、過去の文献で後発品内で銘柄変更した際に、出血傾向の副作用が出たとの報告がある。出血傾向はアスピリンで知られたリスクだが、これまで腸溶錠の製剤試験を行っていないため、念のため試験することになった。
領域別の評価は、降圧剤や糖尿病用薬など長期服用する製剤について、先発品と後発品の品質を比較する方向だ。
このほか、前回会合で方針が決まっていた治療濃度域が狭い医薬品の溶出試験について、▽テオフィリン徐放剤▽カルバマゼピン錠▽グリベンクラミド錠--など8品目を対象とすることを確認した。