日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の宗像守事務総長は、JACDSが1月31日に発表した、調剤一部負担金支払い時におけるポイント付与自粛に関する見解について、「強制力はない」との考えを示した。その上で、今後も状況を冷静に見つめつつ、JACDSの改正薬事法運用研究委員会(久松正志副会長兼委員長)内に立ち上げた「ポイント付与に関する今後のあり方検討会」で、議論を重ねていく考えを示した。
JACDSが1月31日発表した見解は、1月19日に厚生労働省が業界に発出した、ポイント付与に関する通知を受けたもの。見解では、保険調剤には国民の税や保険が使われており、自己負担分であっても、ポイントを付与することは適当ではないとし、営業の自由を尊重しつつも、自粛も含めた冷静な対応を要請していた。
宗像氏はその見解に関して、「会員企業の中でも、ポイント付与に対する意見は割れており、会員各社の意見をできるだけ集約した形でまとめた」と説明した。その上で、「見解を発表した後、会員企業などからも、どれほどの強制力があるのかという質問があったが、強制力はあまりないと考えている」とした。
また、厚労省の通知に関しても、「強制力を持つとは判断しにくい。厚労省が自粛を求めたというところまでは読みにくいというのが、われわれの判断だ」とし、「基本的に法律で禁止されておらず、厚労省からきちんと、法律の条文に基づいた形での法解釈が出ない限り、業界といえども禁ずることは難しい」と指摘。「われわれとしては、あくまで冷静な対応をお願いしたという状況だ」と述べた。
今後については、「検討会で、この問題を議論してもらう。必要に応じて弁護士や有識者も加えて検討を進め、われわれの本格的な見解は、ここから出すべきだと思う」と話した。