興和は、肝細胞癌再発抑制剤「ペレチノイン」の国内承認申請を行った。肝細胞癌の再発を抑制する薬剤としては、世界初の申請となる。
ペレチノインは、レチノイド核内受容体をターゲットとするビタミンA誘導体の経口非環式レチノイド。今回、C型肝炎ウイルスに起因する肝細胞癌再発抑制剤として承認申請された。
C型肝炎ウイルス(HCV)陽性肝細胞癌の根治術(外科的切除あるいは経皮的ラジオ波凝固療法)後患者を対象とした国内第II/III相試験では、プラセボ群に比べ、ペレチノイン600mg群で肝癌の再発リスクを減少させる結果が得られている。特に、根治術後2年以降の再発・死亡リスクを低下させる効果が高かった。肝細胞癌の再発には、原発巣からの肝内転移と、多中心性発癌があるが、2年目以降の再発では、多中心性発癌が多いことから、肝硬変などからの肝癌発症予防にもつながるのではと、期待されている。
興和は、承認取得後、「ルチココーワカプセル75mg」の製品名で販売する予定。今後、ペレチノインの作用メカニズムの解明に向けた解析も進める。